昨年気になっていた手帳で、「編集者のための〆切手帳」というものがある。
現役の編集者の方々が作った手帳とのことで、公式ページには「〆切を制するものは、人生を制する」と書いてある。
おそらく大多数の方からすると「何言っているのww」と鼻で笑うような言葉かもしれない。
でも、〆切に追われる仕事をしている人間には、ド直球で刺さる。
なぜなら、これは冗談ではなく真実でしかないからだ…恐ろしいことに。
私自身も会社員だったころ、いわゆる編集者ではないものの、かなり近いスタイルの仕事をしていた。
数か月、数年単位で複数のプロジェクトが同時進行していて、会議・打合せ・出張が多く、その合間を縫って自分のタスクをこなす。
その時間のやりくりをしたくて、かなり手帳術を研究しまくった経緯がある。
そして、市販の手帳は汎用性があるために、やはり私個人にとっては痛しかゆしで、何とか自分の理想の使い方ができそうなものにカスタマイズを加えて使っていた。
そのカスタマイズ結果に非常に近い手帳が、実はこの「編集者のための〆切手帳」だ。
あの仕事をまだ続けていたら、絶対にこれを買っただろう。
それくらい、当時の私の理想に近い手帳。
ところで、「〆切を制するものは、人生を制する」のコピーを考えた人、相当ワーカホリックなんだろうなあ…もう忙しすぎて、思わず「〆切=人生」になっちゃっている(笑)。
でも、それを痛いほど理解できる自分もいる。
〆切守れて仕事がうまくいったら、きっと人生も好転する…もうこれ昔の私と同じワーカホリックの思考回路なのよ。
おススメのポイント
さて、この手帳は、仕事専用バーチカル手帳といった感じのモノなので、編集者に限らず仕事が忙しすぎる人、特に〆切に追われる人にお勧めしたい。
とはいえ、私はこの手帳の実物を見たことがない。
現在は生活が変わってしまったので、仕事専用バーチカル手帳を使っていないし、オンオフを分けない生活のため、24時間バーチカルでないと対応できない。
なので、公式ページからの情報をもとに、良いなと思うポイントを、元〆切に追われまくっていた人間の視点から述べてみたい。
公式ページ
https://shimekiri-techo.words-inc.co.jp
ページ構成
構成はとてもシンプルで、下記のとおり。
- 週間スケジュール(バーチカル)
- 月間スケジュール
- 年間スケジュール
- todoリスト
ビジネス用として使うと非常に無駄がない中身だと思う。
週間スケジュール
この手帳はブロックマンスリーがないのだが、もうそこからして好感度爆上がりだ。
忙しすぎると週間バーチカルでスケジュール管理をするしかないので、ブロックマンスリーはいらないと思っていた。
一覧性がいいからと、ヘタに予定やタスクを書いてしまうと、うっかり忘れたり、週間ページとブッキングしたりして、あまり良いことがない。
そもそも、ブロック型のマンスリーはスペースが狭いので、一日のなかで1~2つしか予定がない人向けだと思う。
なので、月間ページより、予定とタスクを全部書きこめるような週間ページがしっかりあればいいのだ。
この手帳の最大の特徴は、そのウィークリーで、簡単に言えばバーチカル×ガントチャート。
つまり、予定とタスクの進行を同時に見渡せるということ。
8~21時の「オンタイム」のバーチカル(そのほかの時間も追加で書けるようにはなっている)と、そのバーチカルの下に、プロジェクト単位のガントチャートがある。
予定もたくさん入っていて、複数のプロジェクトが並走していて、結局いつ私は自分の仕事ができるの?というとき、もうこの形しかない。
バーチカルは30分刻みで書けるのも、ポイントが高い。
ガントチャートのプロジェクトは6件まで書ける。
なお、この週間スケジュールは今年12月から来年3月まで。
なんだかんだ年度末までスケジュールは入るものだから、便利だと思う。
月間スケジュール
先述のようにブロックタイプではなく、各月8件のプロジェクトごとのガントチャート。
年間ほどざっくりしていないけれど、週間ほど細かくもない、月間も大事。
ガントチャートなので、アポイントなどの予定は書く必要もなく、週間ページとブッキングすることもない。
年間のガントチャートから今月に落とし込んでプランニングするのに適している。
で、さらにそこから今週のプランニングをする。
〆切を意識しつつ、年-月-週にスムーズに落とし込めるようになっている。
年間スケジュール
これもまた、プロジェクトごとのガントチャートで1年分。
週で表示されているが、年間スケジュールはざっくり立てるから、「だいたいこの週くらいまでに仕上げよう」とか、日にちまでは必要ない。
しかも、横に長いので、数か月先までパッと見渡せる。
そして、これはamazonの商品説明では付録として別になっているらしい。
が、公式ページでは、「中に組み込みました」とあるから、どっちなんだろう?
結局、この手帳は、週間・月間・年間ともガントチャートが入っている。
でも、〆切に追われる仕事には、特に長期的なガントチャートは必須。
なぜなら、最終〆切から逆算するときに使うからだ。
例えば、書籍なら発売日が最終〆切だとすると、印刷や製本に何日かかるから最終の校正〆切はここまで、そうすると原稿の入稿はここまで…みたいな感じで、自動的に予定が決まっていく。
しかもそんなものが複数走っているなら、ふつうのブロックカレンダーでは書ききれない。
結局、プロジェクトごとのガントチャートが必要になる。
この年間ガントチャートは11件のプロジェクトが書けるようになっている。
Todoリスト
日付が書けるtodoリスト…かゆいところに手が届いたタスクリスト。
todoリストは〆切がないと結局やらないから、日付欄は結構大切なのだ。
todoリストは週間ページや手帳の巻末のメモページに適当に書きがちだが、このような正式なtodoページがあれば、そこに集約しやすいし、どれが未達なのかも一目瞭然。
手帳の仕様
180度開く
ノートや手帳は製本方法が本当に大事!
どんなに便利なフォーマットや良い紙質でも、開きの悪いノートには書きつける気が失せてしまう。
ここは昔から私もこだわってきたところということもあり、使う人の気持ちをちゃんとわかっている手帳だなと思う。
手帳の開きは、ネットで見たときは分からないが、いざ実物を開いてみて「あ!」となる部分。
そういう見えないけれど大事なところを省略していない仕様に共感を覚える。
ちなみに、「今は皆ipadを使うから紙の手帳はもうオワコンだ」なんていわれているが、180度開かない手帳はその時点でipadに負けているんだぞと言いたい(ipadは常に水平な画面に書き込める)。
水に強い表紙
カバーをかける場合はあまり関係ないが、そのまま使う場合は結構大事なポイント。
手帳がバッグの中で濡れる可能性は意外と高い。
ペットボトルの水滴だったり、濡れたハンカチだったり、つい油断してしまうことがある。
1年間ちゃんともつ強度は必須。
本当に忙しいなら、バーチカル×ガントチャートしかない
この手帳はとにかく、バーチカル×ガントチャートでスケジュールとタスク進行をパッと確認できることがすばらしい。
A5サイズは記入スペース確保と持ち歩きを両立できるギリギリのラインだと思う。
実は、今は亡きユナイテッドビーズが、これとよく似たフォーマットのA5手帳を出していて(確か18時くらいまでのバーチカル)、とても便利だったが、その後ブランドがなくなり困った。
現在販売されているこのバーチカル×ガントチャートの手帳として、D-Brosのクリエイターズダイアリーがある。
バーチカル×ガントチャート×ジャバラ式で一年を見渡せるので、やはり〆切に追われるデザイナーの発案らしい手帳だ。
ただ、字の大きい私にはA5スリムの記入欄が狭すぎて、これまで使ったことはない。
同じA5見開き一週間だと、ラダイトのパラレルプランナー(日付フリー)があるが、日付を記入する必要があるし、1冊で1年をカバーしないし、バーチカルは時間軸がない。
自由度が高いので活用方法によっては便利なのだが…。
ちなみに、かのypadは、このバーチカル×ガントチャートを90度回転させた、レフト×縦型ガントチャートになっているから、やはり〆切に追われる職種にはこれしかないのだ。
私はレフト式が苦手でypadは結局使えなかったから、24時間のバーチカルを買って、20時以降をプロジェクト管理のガントチャートとして使っていたりした(早朝深夜の時間帯はどうせ予定が入らないので、別の用途に使っていたということ)。
この手帳では、それがデフォルトだから、カスタマイズせずにすっと記入できる。
もちろん、バーチカル手帳にプラスして、A3でプリントした工程表や、別のガントチャートノートを一緒に使ったこともあるが、やはり、同じ紙面でスケジュールとタスク進行を確認したり、計画したりするのが一番わかりやすい。
この手帳を知って、〆切に追われる仕事の人の悩みは共通だったんだなと改めて思った次第だが、それを解消できるツールがあるのは素晴らしいことだ。
個人的には、このバーチカル×ガントチャートのフォーマットは、これからもっと市場に増えるんじゃないかと思っている。
〆切に追われる職業だけでなく、仕事を掛け持ちする人にもこのフォーマットは便利だからだ。
ちなみに昨年は公式サイトでしか売っていなかったように思うのだが、今年はAmazonや楽天でも取り扱っている。
10/22頃発売とのことなので、興味があればぜひ早めにチェックしてほしい。

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