仕事専用バーチカル手帳の使い方

今でこそバーチカル手帳をメインにはしていないが、勤め人の頃はそれはもうバーチカル手帳を仕事用に使いたおしていた。

やはりスケジュールを細かく管理できて、一目で空き時間が分かるというのは、ビジネスパーソンにはもっとも重宝するフォーマットだと思う。

どちらかというとタスク管理より、スケジュール管理に向いたフォーマットなので、会議や外出、人と会う約束など、決まった時間での動きが多い人に向く。

勤め人の頃の私は、デスクワークが中心だったものの、

  • 打合せ(来客)が多い
  • 外出・出張が多い
  • 自分ひとりでこなす作業が多い
  • 長期的なプロジェクトを複数本抱える
  • 休日は不定期

というような状態だった。

そんな私が何年も試行錯誤して、個人的には「これがほぼベストだな」と思った使い方があるので、この記事ではそれを紹介してみたいと思う。

ほぼベストというのは、人によって当然ベストは異なるし、また自分でも状況に合わせてアップデートしてきたので、完全なるベストはないと思っているからだ。

  1. 現在お勤めの方(在宅フリーランスや主婦などではなく)
  2. デスクワーク中心
  3. 打合せや来客、外出なども多い

上記のような場合で「自分の状況ではバーチカル手帳が便利なのはわかるんだけど、イマイチうまく使いこなせない」という忙しいビジネスパーソンに、少しでも参考になれば幸いである。

大前提:仕事専用の手帳を持つ

これはこの記事の大前提なのだが、当時の私は仕事用とプライベート用の手帳を分けていた。

これは社会人になって結構早いうちからやっていたが、仕事では仕事専用手帳、いわゆるデスクプランナーという使い方をしていた。

仕事専用手帳は原則仕事のことしか書かない。
万一社内などで落としても、仕事のことしか書いていないので、中身を見られてもそう慌てずに済む(笑)。

仕事中は常にデスクの上に開きっぱなしにし、予定を確認したり新たな予定やタスクを書き入れたりする。

本来は退社時も職場に置きっぱなしにしておくのがベストだが、出張などが多いと難しいことも…。

というわけで、この記事では、仕事専用のバーチカル手帳(デスクプランナー)の使い方について書いていく。

仕事用のバーチカル手帳の選び方

サイズ

書き込みスペースと、いざというときの持ち出しやすさのバランスが良いのはA5。

それ以下になると、書き込みスペースが小さくなってしまうので、その点をクリアできるならB6まで下げてもよいと思う。

完全に職場に置きっぱなしにするなら、B5だと非常に使いやすい。

A4は持ち運びには適さないかもしれないが、書き込みやすさは確保される。

また、サイズは判型だけでなく、厚みも考える必要がある。

バーチカル手帳の厚みは、ウィークリーページではなく、その他のページ、特にメモページの多さで決まる。

持ち出すなら薄いほうが良いが、メモページが必須だという人はそれなりの厚みになると思う。

私はスケジュール&タスク管理はバーチカル手帳、打合せメモは方眼ノートに書いていたので、メモページの量はなるべく少ないものを選んでいた。

例えばコクヨのキャンパスダイアリーは、メモページがほとんどついていないのでとても薄く、好きなノートと2冊持ちしても持ち運びが苦にならない。

ちなみになぜ打合せメモを手帳ではなくノートに書くのかというと、そもそも打合せが多すぎて手帳の巻末メモページでは間に合わないということもあるが、一番の理由は中~長期プロジェクトが多かったから。

スケジュールとタスクはその年で完結するが、プロジェクト自体はその年では完結しない。

ノートであれば、年をまたいでもそのまま使えるし、何年も前の手帳を職場のデスクに置くのがイヤだったということもある。

なので、手帳の巻末についているメモページには、その年で完結するようなメモだけを書くことにしていた(例えば有休をどれだけ消化したかとか)。

フォーマット

バーチカル手帳といっても細かく見ていくといろんなフォーマットがある。
これを自分に合ったものにしておくのが使いやすさをアップさせる最低条件となる。

土日の扱い

例えば、土日も働く人が、土日がまとめて1列になっているタイプのバーチカルを使うのは向いていない。
土日も働く人や、不定休の人は7日間均等バーチカルを使うべきだろう。

また、完全に土日定休の人なら、JSダイアリーのように、土日がフリースペースになったものもある。
これなら、イレギュラーで土日に出勤する日も対応できるし、普段はメモ欄として使えばよい。

書き込みスペース

自分の字の大きさを考慮することも大事。

同じA5サイズでも、見開きで1週間の時間軸があるものと、ラコニックのバーチカルレフトのように、左側のページに2段でバーチカルとなっているものもある。
当然後者の方が書き込みスペースが小さくなる。

ラコニックのバーチカルレフトはフォーマットとしてはとても使いやすく便利なのだが、字の大きい私にはちょっと窮屈に感じた。
やはり見開きで1週間の時間軸があるスダンダードなもののほうがのびのびと書ける気がする。

時間軸

仕事用として使うなら、勤務時間がカバーされているものを使うのがマスト。

深夜勤務や時間で交代するような職種だと、24時間バーチカルが圧倒的に使いやすい。

逆に例えば9~17時の仕事なら、24時間バーチカルの必要はない。
時間軸の時刻数が増えるほど、1時間当たりの書き込みスペースは狭くなってしまうのでよしあしだ。

また、時間軸は1時間区切りでも良いが、できれば30分区切りの時間軸のもののほうがより使いやすい。
1時間半の会議のあとに30分で議事録を作成するなど、予定もタスクも必ずしも1時間毎ではないからだ。

なお、当サイトでは15分区切りの「15min planner」も販売しているので、ご興味があればどうぞ。

日付入りか日付フリーか

ふだんの予定の入り方によるだろう。

数か月先の予定もどんどん入ってくる人は、予め日付が印刷されたもののほうが手間がかからない。
こういう人は、もし日付フリーを買ったら、予め1年分の日付を入れておいたほうがよい。

せいぜい来月か再来月くらいまでの予定しか入ってこないという人は、マイペースに日付を書きこんでいけばよいので、日付フリーでも良いかもしれない。

日付フリーが便利がよいのは、月曜始まりが不便な人だと思う。
日曜始まりは探せばあるが、その他の曜日から始まるものはなかなかない。

また、祝祭日や六曜、月齢がないと困るという人は日付入りをお勧めする。

手帳を買ってきたらすること

新しいバーチカル手帳を買ってきたら、ウィークリーページに以下のことをしておこう。

休みの日を記入

土日定休の人はマストではないが、いわゆる不定休の人は特にこれをやっておくと良い。

不定休の場合はシフト制のことも多いと思うが、今の段階で分かっているものでいいので、休みの日の日付を赤で丸く囲む。

こうすることで、自分の稼働日がすぐにわかる。

私はよくフリクション(消えるボールペン)や、同じくフリクションスタンプの「休」を使っていた。
万一シフトが変更になっても、すぐに消せるからだ。

また、有給休暇や振替休日などイレギュラーな休みの場合は、赤丸の隣に、「有休」「〇日の振休」などと書いておくとあとで何日消化したかを数えたりするのに役立つ。

勤務時間にラインを引く

例えば勤務時間が9時~17時なら、出勤日の時間軸の9時・17時にそれぞれラインを引いておく。
もし出勤時間もシフト制なら、その日の出勤時間にあわせてラインを引く。

こうすることで自分の稼働時間がわかりやすくなる。

ラインを引いたら出勤時間以前、退勤時間以後は、メモやタスクを書くスペースとして使えばよい。

このラインは、ボールペンよりもマーカーがよい。
認識できればよいので、ごく薄い色のマーカーにする。
目立たせたい部分は他にもあるので、あまり強い色は使わないほうがよいだろう。

私はフリクション蛍光ペンのイエロー(ソフトカラー)や、マイルドライナーのマイルドグレーなどを使っていた。

予定を記入

次に、すでに決まっている予定を書いていこう。

会議など日時の決まっている予定は時間軸の中に書いていく。

その際、時間軸の数字から矢印を下向きに引っ張ったり、時間軸の横ラインの上をなぞったり、四角く囲んでおいたりしておく。

とにかくぱっと見るだけで、「この時間帯は押さえられている」というのが感覚的にわかるようしよう。
スケジュールの可視化を心がけるということだ。

この時、3色ボールペンで書き分けると、さらに一目瞭然となる。
私の場合は以下のように分けていた。

赤:会議、来客、他人との共同作業など誰かとの約束(相手のある予定)
青:出張や外出など、社外に出るもの
黒:自分ひとりで行うタスク

またイベントや締め切りなど時刻のない(決まっていない)予定は日付下などのスペースに書く。
特に締め切りは赤で目立たせると良い。

インデックスを装着

今日のページが一瞬で開けられるようにする。

ページの隅に切り取り線が入っているものもあるが、そうでない場合は、大抵しおり紐などがついていると思う。
ただし、このしおり紐は記入の際に結構邪魔に感じる人も多いのではないだろうか?

私はこの紐をたまに開けるページに使うことにし、毎日書き込むウィークリーページには、プラスチックふせん(貼るブックマーク)を貼っていた。

今ならミドリのインデックスクリップなどもよいと思う。

また、ウィークリーページも月毎にわかるようにしたい場合は、1~12までの数字が書かれた小さなインデックスシールもあるので、毎月1日のあるページに貼っていくと過去や未来のページが検索しやすくなる。

名刺ポケットを装着

手帳に名刺を忍ばせておくと、いざというときに助かる。
財布などから出すよりはかなり印象が良い(笑)。

手帳カバーに名刺専用の切り込みがあるものもあるし、なければ市販のクリアポケットシールを貼って1~2枚でも入れておくと良い。

あとは必要に応じて好みのカバーを付けたり、ペンホルダーを加えたりなど、自分が使いやすいかたちにカスタマイズしよう。

バーチカル手帳を使いこなすコツ

マンスリーとウィークリーに同じことを書かない

予定は全てウィークリーで管理する

多くのバーチカル手帳にはマンスリーページも付いていると思う。

バーチカル手帳がうまく使えなくなる原因のひとつとして、このマンスリーページとウィークリーページとで予定を転記しあうのが面倒になったり、それを怠ると予定がブッキングしたりしてしまうことが挙げられる。

その解決方法は簡単で、スケジュール管理はウィークリーだけで行うこと。

新たな予定が発生したら、必ずウィークリーのほうに書き込む。

つまり、「ウィークリーさえ見れば、予定は全部わかる」という状態にしておくのだ。

マンスリーとウィークリーに同じことを書くのは二度手間になるだけでなく、ダブルブッキングなどの原因になってしまうので、それならマンスリーは使わないほうがまだマシというものだ。

なので、マンスリーは別のことに使おう。

マンスリーページはどう使う?

ウィークリーの補助ページとして使う

ウィークリーと比べた時、マンスリーの利点は1ヶ月が見渡せるということ。

私の場合は、主に自分で行うタスクの「進捗計画」をごちゃごちゃと書いて練るページとして利用していた。

休日や出張、予定で埋まっている日は×でつぶす。
残りの日が、実際に作業できる日となる。

ここである程度計画して、決まったものをウィークリーページに黒ペンで書き込む。

また、締め切りも多かったので、実際に動ける日限定で締め切りまでのカウントダウンを書いたりもした。

つまりウィークリーページの補助的な位置づけで使っていたことになる。

ログ(記録)専用ページとして使う

基本的にマンスリーページは、「ウィークリーページと同時に見なくてもいいようなこと」を書くことをお勧めする。

特に良いと思うのは、ログ(記録)を書くこと。

例えばその日にこなした作業量を書いたり、新しく入ってきた商品や初めて会った人の名前を書いたり、その日の気づきや学びをひとこと書いてもいい。
あと残業時間を書いておくと良い(特にサービス残業なら必須だと思う)。

自分のタスクも予定にする

スケジュールというと会議やアポイントばかり思い浮かべるかもしれないが、自分ひとりで行う作業(タスク)も大事なスケジュールのひとつ。

外から入ってくる予定ばかり管理していたのでは、「余った時間で自分のタスクを行う」状態になり、場合によっては非常に苦しいことになる。

外から入ってくる予定は2種類ある。
自分で調整できるものとできないものだ。

突然どこからともなく降って湧いてくるような(笑)大人数の会議などは自分の都合ではどうにもならない。
でも、社内外の担当者と1対1で打合せるようなものならば、ある程度融通が利くはずだ。

優先順位は、自分の都合では動かない予定→自分の作業予定→自分で調整できる予定。

調整できる予定というのは、自分で勝手に予定を変えるという意味ではなく、まず自分のタスクを行う時間を確保して、その後に他者とのアポを入れるということだ。

つまり、ウィークリーページのなかに、「動かせない予定」と「自分の作業予定」が入っていなければ、それ以外の予定を入れられないので、必ずこの2つの予定を記入してその時間帯をブロックしておく。

他者とアポの時間を調整するときは、ブロックされていない時間帯から候補を提示すればよい。

バーチカル手帳を使う場合、予定はウィークリーページで、タスクはメモページやtodoリストで管理する人も多いと思うが、タスクの列挙(リストアップ)のみでは作業時間が見積もれない。

やるべきことをリストアップしたのち、必ずそれらのタスクの作業時間を見積もり、スケジュール化して時間軸のなかに入れておくことをお勧めする。

文字数を減らす

略語・記号を使う

バーチカル手帳は書き込みスペースが決して広くはないので、時間軸に書き込む文字数を減らす工夫をしよう。

特にルーティンは、略語・記号を使うと良い。

よく使われているものでは、会議なら「MT」または「MTG」(=meeting)などが挙げられるだろう。
また会議室や出張先など場所をあらわす場合は「@」(=at)、同伴者がいる場合は「w/」(=with)など。

その他にも自分のルーティン予定・作業には略語・記号を勝手に作ってしまえばよい(自分さえわかればよい)。

スタンプを押すのも良いが、持ち歩いたり、パッと書き込んだりすることができないので、ペンで書ける略語・記号をお勧めする。

色ペンでブロックする

毎回同じ時間帯の予定は、色ペンでブロックし、予定を文字で書かないという方法もある。

例えば毎朝8時半から9時までは朝礼という場合、朝礼といちいち書くのではなく、時間軸のところに決まった色のペンで縦にラインを引いておく。

昼休みや休憩時間などもこの方式をお勧めしたい。

全体的な文字量が減ると、他の重要な予定が見やすくなる。

バーチカル手帳に適したペン

バーチカル手帳に最適なのは、やはり細芯のボールペン。
時間軸からはみ出さないように書こうと思うと太芯のペンでは書けない。

例えばジェットストリームなら0.38の3色ペンが良いし、ジェットストリームエッジなら0.28の3色なので、さらに良いだろう。

またフリクションの0.38で3色ペンも良い。
消せるボールペンは修正液を使わずにすむので、バーチカルの狭い筆記スペースが汚くならない。

「3色ボールペンでなくても、3本の色ペンを持っておけばいいのでは?」と思うかもしれない。

でも手帳に「このペンさえあれば何とかなる」というペンを1本差しておくと便利だし、色分けするたびに色ペンをペンケースから探して持ち変える手間を考えると、3色ボールペンを使ったほう良いだろう。

まとめ:バーチカル手帳のメリットは”見える化”

以上、バーチカル手帳を仕事専用手帳(デスクプランナー)として使う方法を書いてみた。

バーチカル手帳の最大のメリットは、スケジュールを可視化できることなので、

  • 休日や勤務時間を明記する=稼働時間を明確化する
  • スケジュールだけでなく、タスクもスケジュール化して記入する
  • スケジュールは種類によってペンを色分けする

などの工夫で、すべきことや空き時間などが、とにかく「パッと見てわかる」ことを目指すとよいと思う。

おまけ:ではプライベートの手帳はどうするの?

プライベートの手帳もまた自分の生活に合わせて選べばよいと思うのだが、私の場合は選択基準が「薄くて軽い」だった。

仕事中に開けることはないけれど、仕事には持っていくし(休憩時間や通勤時間に使った)、休みの日もわりと持ち歩いていたからだ。

ダブルブッキングをふせぐ必要性

ペンはやはり3色ボールペンを使っていた。

赤:重要な予定(仕事以外)
青:仕事の予定
黒:その他の予定(仕事以外)

プライベートの手帳には、仕事の詳しい内容やタスクは一切書かないが、予定は書かざるを得ない。

例えば出張予定や大事な来客などは書いておかなければ忘れるのでまずい(笑)。
なので、仕事上の「これは忘れてはいけない」という予定だけは青ペンで簡単に書くようにしていた。

なぜかというと、デスクプランナーは家に持って帰らなかったので(ほぼ外出・出張だらけの1年間はさすがに持ち歩いていたが)、これをしておかないと、仕事とプライベートの予定がブッキングする恐れがあったからだ。

なので、重要な仕事の予定が入ったら、プライベートの手帳にも書いておき「この日は休めないよ」とブロックする、ということをしていた。

このあたりは、職業や生活のスタイルによるが、仕事とプライベートの手帳を使い分ける際にもっとも気を付けるべきポイントとなる。

デジタル化でメモ中心に変化

プライベートの手帳も、やはり手帳+メモ帳という組み合わせだった。

手帳カバーに小さめのメモ帳を挟んで使い、年をまたいでもメモ帳だけはそのまま使っていた。

ただし、途中からスケジュールをスマホで管理するようになったら、手帳にたくさん書きこむ必要がなくなり、好きなメモ帳にカバーをつけ、小さめの手帳を挟んで使うようになった。

ちなみに現在は勤めていた頃のようにアポイントや外出だらけではないし(どちらかというとタスク中心)、決まった勤務時間も休日もない。

そのため、仕事用とプライベート用も分けず、スマホでスケジュール管理、タスクとメモはノート(メモ帳)でバレットジャーナルというかたちで落ち着いている。

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