モーニング・ページとは
朝活ブームなどで注目されている「モーニング・ページ」。
毎朝心に浮かぶことをノートに書き留めるというワークで、もともと2001年に出版されたジュリアン・キャメロン氏の「ずっとやりたかったことをやりなさい。」(原題:The Artist’s Way)で紹介されたのが始まりである。
実践している人もかなりいるようで、「モーニング・ページ 効果」などと検索してみれば、いろいろヒットする。
やり方は簡単。毎朝、心に浮かんだことをノートに3ページ分書くだけ。
眠いとかお腹すいたとか本当のそのときに浮かんだことを書けばよいので、字が書ければ誰でもできる。
不思議なもので、最初は体の調子とか表面的なことが出てくるのだが、集中していると、ああしたいとか、あれがイヤだとか、「思い」が出てくるようになる。
当然、とても他人様には読ませられないような罵詈雑言も出てくることもあるが、そのまま書く。
というわけで、他人に見せてはならないし、また最初の8週間は読み返してはならない。
あとで自分の変化に気づくためだ。
自分が今何を感じているのかにフォーカスできるので、マインドフルネスとも少し似ているかもしれない。
著者はモーニング・ページを「脳の排水」と言っているが、普段忙しくしていると心の奥底に沈めてしまいがちな、心配事や怒りなどのネガティブなことも吐き出してしまえるのだ。
あるいは、本当はやりたいのに勝手に諦めているような、自分の心が無視してきた何かが改めて浮上してくることもある。
モーニング・ページのやり方(私の場合)
・起床後、ベッドで書く
つまりモーニング・ページは自分の潜在意識とつながるワークなので、起床後まだ頭が完全に覚醒していないときに書くのが最も良い。
となると、ベッドから出ずに書くのが良いように思えたので、そうしている。
身支度をしているうちに目が覚めて、色んな考えが頭の中に浮かんできてしまうからだ。
ベッドで書くので、目を瞑っていてもとれる位置にノートとペンを用意しておく。
膝の上で気持ちよくかけるように、芯材の入ったカバーをノートにつけている。
・書くのは15分のみ
著者は3ページというが、私は15分ほど書くことにしている。
出勤前の忙しい時間帯にどうしても3ページ埋めなければならないというプレッシャーをなくすためだ
また15分ほどであれば、ベッドから抜け出さずにいられる。
まあ、歯を磨いて水くらいは飲んでもいいと思うが。
・書いたものは見ない
主な目的は心のデトックスだと思っているので、書いたものはほとんど見直さない。
特に前の日に書いたものなどは、朝は絶対に見ない。
書いたことも忘れているような気がするが、別にいいと思う。
だが著者の言うように、8週間=2か月くらいたってからさらっと見返すと、確かに気づきはある(でも朝は見ない)。
で、文具好きとしては何を使っているのか?(笑)
ノートはたまたま家にあったツバメノート(A5、100枚)を使っているが、ベッドで書くには表紙が柔らかいので、芯材の入ったトライストラムスのノートカバーを付けた。
ポケットにこのノート専用にしたペンを挿しておけば、朝から探さずにすむ。
このカバーもたまたま家にあったものだが、さっと取りも出せて安定して書けるのでいい仕事をしていると思う。
ノートの硬さはベッドでストレスなく書くには結構重要な要素なので、モレスキンのようにハードカバーのノートを用意してもいいだろう。
もちろんノートは朝から気分が上がるようなものを買うという手もある。
私は家に大量にある「つい買ってしまったw」ノートとペンを消費するのにちょうどいいと思い、適当なものを組み合わせている。
スムーズに書ければそれでいい。あと、目が覚めていないのであまりノートの表紙も見ていない…。
サイズは広々と書きたいならA4のリングノートなどでもいいし、書きなぐるのに抵抗があるならいっそリーガルパッドという手もある。
3ページプレッシャーに負けそうなら、A6やB6のノートを選べばよい。
そもそも著者はアメリカ人なので英語で3ページであって、日本語なら賞味2ページくらいだと思う。
最大の難関、早起き
この本を初めて読んだのは10年くらい前だった。
実は何度かチャレンジしては挫折し…を繰り返している。
書くことは好きなのだが、いかんせん夜型人間の私にとっては起きることが厳しかった。
近年また再開したときには、ちょうど睡眠障害となってしまったため朝起きられなくなった。
でも最近また挑戦している。
以前ほど夜型でなくなったのと、眠れなかった翌朝などきつい日は書かなくてもいいと決めている。
意志薄弱なので、ゆるくしないと続かない。
ただ、時間を捻出しようとすると起きる時間を早める必要がある。
私はもともと目が覚めてから15分~20分ほどは目を半分開けたままぼーっとしているタイプなので、この時間に体を起こしてペンを握ればいいかも…と思って何とかやっている。
目を覚ますためにぼーっとしながらスマホでニュースを見ていたりしていたが、モーニング・ページを書く前にそういう情報は脳に入れないほうがいいので、それもやめた。
じゃあ夜に書けばいいのでは?と思うかもしれないが、個人的には夜ではダメだと思う。
疲れていることを差し引いても、昼間あったことや考えたことが明確に脳に残っているので、それについてあれこれ考えてしまう。
つまり顕在意識のほうとつながっているのだ。夜に書くならやはり日記だろう。
かといって、朝に書く未来日記や、今日やることのtodoリスト作成、ひとりブレストとも違う。
そういう表面的な意志は顕在意識、モーニング・ページはあくまで潜在意識。
著者は「自分のなかのアーティスト」と表現しているが。
ちなみに、挫折しまくりつつも、ふと思い出して再チャレンジするのは、私の場合は大抵何かしらのターニングポイントである時期が多い。
アーティストさんが何かを訴えているのかもしれない。
とりあえず、続く日までまたやるのである。
挫折の原因を振り返ってみると、私の場合は夜型ということ以外では、(眠さを含む)体調だった。
忙しさそのものはあまり関係がなかった。
ということは、体調を整えて、朝ゆるゆると起きられるようにして、自動的にペンを握るというシステムを作ればよさそうだ。
最近は就寝時にカーテンを閉めるのをやめてみた。
年単位で続いたことがないので、正直人生が180度変わった!というようなレビューができないのが残念だが、そういうメリットが得らればさらに書きたくなるかもしれない。
なお最近は新装版が出たと思ったら、続編も出た。
キャメロン氏は、このモーニング・ページと、アーティスト・デート(週に2時間、自分の心のワクワクを叶えてあげるワーク)を提唱していたが、続編ではウィークリー・ウォークといって週に20分で良いから歩こう!という話をしている。
歩くことで心を整理するのだ。
モーニング・ページを書くかどうか、クリエイティブ職かどうかに関係なく(著者は誰もが皆自分のなかにアーティストがいるのでそれを呼び覚ますという前提でこの本を書いている)、読むと何かひらめくものがあるのではと思える本だ。
ノート術ではなく、自己啓発(ややスピリチュアル寄り)の本である。
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